2007年02月27日

思想の自由

最高裁が君が代伴奏命令を合憲とした。
新聞によれば、以下の理由によるという。
第三小法廷は、伴奏命令は(1)「君が代が過去の日本のアジア侵略と結びついている」とする教諭の歴史観・世界観自体を否定しない(2)特定の思想を持つことを強制・禁止したり特定の思想の有無の告白を強要したりするものではないと述べた。命令当時、君が代斉唱が広く行われていた▽憲法は公務員は全体の奉仕者と定めており、地方公務員は法令や職務命令に従わなければならない立場にある、とも指摘した。
 教諭は99年の入学式で校長に君が代の伴奏を命じられたが、「思想・信条上できない」と拒否。斉唱は用意されたテープによる伴奏で行われた。
 小法廷の意見は割れた。「卒業式の秩序維持」を強調する補足意見が出る一方、藤田裁判官は「君が代斉唱の強制自体に強く反対する信念を抱く者に、公的儀式での斉唱への協力を強制することが、当人の信念そのものへの直接的抑圧となることは明白だ」として、審理を高裁に差し戻すべきだと述べた。

二番目の理由が最悪だ。これでは、思想信条の自由は心の内側にのみ認められることになってしまう。これでは自由は守れない。どんな強制をしても自由を侵害することがなくなる論理だ。
藤田裁判官のみを支持したい。
最高裁は、産経新聞の主張並みの判断力だ。  

Posted by mc1026 at 22:26

2007年02月17日

刊行中止

プリンセス・マサコの翻訳が刊行中止になった。
講談社の言い分では著者との信頼関係が維持できないとか、刊行後に起こるだろう出来事に責任が持てないなどと報道されている。
これに対して原作者は、「宮内庁や外務省の圧力に出版社が屈したんだ」と述べている。この判断は、証拠がないけど、それしかないと思う。このように話題になっている以上相当部数の販売が見込めるにもかかわらず発刊しない理由は、それしかない。出版社というのは、売れさえすれば身売りはいくらでもする。
特に、講談社は、戦前からそうした実績を持つ会社だ。佐藤卓己の『言論統制』を見ると軍に取り入って紙を調達し総合雑誌であった「現代」を刊行し続けた。この時にも軍に擦り寄りながら保身しつつ加担した。
今回も、講談社が発行している保守系週刊誌と地続きの側が利益を諦めても、権力に擦り寄っておくことが利益と踏んだと見てもおかしくないだろう。この掴み方は広く沈殿していく。  

Posted by mc1026 at 09:47

2007年02月13日

普通の眼差し

元特派員の出版した「プリンセス・マサコ」に宮内庁・外務省が抗議をしたと報道されている。
その翻訳本は今週末に刊行されるらしいので、中身は知らない。新聞記事に例示されている程度の記述しかしらない。
「皇室の仕事は形式的な楽な仕事だ」というようなことが記されているらしい。
その仕事について、ご挨拶、食事会、見学の連続と、普通の人は理解していると思う。
本当は、子どもをつくることがはずせない仕事になっているけど。
ともかく、以上のことを庶民からすると、気疲れのする作業だと思うと同時に、普通の感覚からすると、まあ形式的だとか楽な仕事と思うのはさほど無理のない掴み方に見える。
やりがいのある仕事かどうかという点で、一つの観点としては、?がつくのはこれまた自然に見える。
だから、抗議するようなことじゃないだろうと思う。
他に抗議したくなるような記述があったというのだろうか。
翻訳本くらい立ち読みしてみよう。  

Posted by mc1026 at 21:19

2007年02月07日

偽の残業割り増しアップ

一部、報道機関が残業代の割増率をアップすると与党が決めたと報道しているが、その中身を見ると、これはインチキだ。
現行制度では、残業時間の長さに関係なく、割増率は一律25%となっている。

「改正案では、残業時間に応じて割増率を3段階に分け、〈1〉残業時間が月45時間までならば割増率は25%とする〈2〉45〜80時間ならば25%以上とするよう努力する〈3〉月80時間を超えたら50%とする——と定める。政府・与党は割増率の引き上げが長時間労働の抑制につながるとしている。」

これだと、割り増しが適用される人は非常に少なくて、月に80時間を超える残業が合法化され、さらに、その時間数は、過労死もあるほどの時間だ。
無条件に50%アップでないやり方はひどすぎる。  

Posted by mc1026 at 07:31

2007年02月01日

自己認識

伊吹文科大臣は、12月に以下のように言っていた。
「公共の精神等、日本人が持っていた「規範意識」を大切に、それらを醸成してきた伝統と文化の尊重など、教育の目標として今日特に重要と考えられる事柄を新たに定めています。」
その後、事務所費の経理などが不正らしい。
だから、「日本人が持っていた」と過去形で正しくも述べたわけだ。自らの「規範意識」の欠如を基準に談話を出すところがえらい!
そういえば、柳沢さんも、その任命責任も果たそうとしない安倍さんも、同じ団体に所属していた。だから、危機感を持っていたわけだ。「規範意識」が欠如していると。
そう言えば、国に税金を納めたくないと言う人びともお金持ちばっかりだ。だから、愛国心についても心配していたわけだ。
その点、貧乏人は、愛国心はあるけど、払う金がないだけだ。

ところで、それなら、新教育基本法も、収入によってその法律を適用される人と適用除外の人とをつくる条項を設けておけば、格差社会に相応しい法律にさらに仕上がったきがする。
誠に残念。  

Posted by mc1026 at 17:45
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