2008年01月11日

台湾島の地図問題

学研が地球儀の地図表記で、台湾を台湾島としたことや樺太などの表記を日本政府の見解と異なる形で販売したことが話題となっている。産経なんか社説にまでしている。
この問題は、本来、どう表記されるべきかという問題と、中国からの要求(誰が要求したのかは明確に表現されていないのでわからないが)とは区別しないといけない。
産経なんぞは、台湾島ではなく中華民国と表記させたいのだろうし、いわゆる北方領土も日本の領土として表記させたいということだろう。だから、いくつかの条約を持ち出して見たりする。
しかし、現在の国際条約上で言えば、台湾は中国を代表する国家として認知されていないし、中華人民共和国を唯一の正統な政府として承認している日本の見地からすれば、台湾島とすることにも一定の合理性はある。一定のというのは、実態としては別の政府が存在していることも否定できないからだけど。ともかく、正式な国交があるかないかで地図が変わってしまうのは、自然地理的観点からするとおかしなことではある。
しかし、ともかく、北方領土についても、条約上、放棄したままになっているわけだから、学研の表記で間違っているとは言えない。

そのことと、この表記が政治的な力によって左右されることとは別に、問題だ。「主権の侵害だ」みたいに産経は叫ぶが、そうではなくて、学問的見地への政治的介入が問題だ。そういう意味では、中国による介入があったとすれば、それも問題だが、産経のように日本政府の見解に従えと言うのも同じように問題だ。ここでも似たもの同士は対立するという法則は成立しているように思われる。  

Posted by mc1026 at 10:12
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