2007年01月04日

中性が帝国

結構、中性もしくは中立的な言葉だと理解していた単語が実は、そんなことはないのだと知った。言葉の使われ方の歴史を辿ってみることは重要だなと思った。
それは、「日本語」という言葉だ。
国語という言い方よりずっと中性的・中立的なはずだろう。
国語というと、そこに近代国家があり、国家語を定めることによって、国家語とされたものとそれ以外という関係がつくられ、そこに権力関係があるからだ。例えば、標準語と方言のような関係だ。
それに比べて、日本語と言ってしまえば、その地域で流通しているという程度の意味となるし、国籍や国家から独立して用いることが可能な印象があったからだ。
しかし、日本語という言い方は、日本が台湾や朝鮮、そして満州を占領したりする時期に流通しはじめたものらしい。つまり、内地と植民地という区分が登場する中で「日本語」が意識され流通したらしい。だから、帝国の言葉だったわけだ。
だから、国語はきわめて近代国家に染め上げられた言葉だが、日本語もそれ以上の言葉だったのである。
中立風に語られる言葉には注意が必要だ、という教訓。  

Posted by mc1026 at 16:00
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